詩吟の特徴と健康との関係

詩吟は日本古来の伝統芸能のひとつで、最近は健康の為に始める人が増えています。腹式呼吸で腹から声を出すことで酸素を多く取り込み、身体の活性化とストレス解消に役立ちます。また、心身をリラックスさせる効果もあり脳の健康にも良いようです。



詩吟の特徴

詩吟は日本古来の伝統芸能のひとつで、漢詩や和歌などを腹式呼吸を使って独特の日本音階の節回しで吟ずるのが基本です。

漢詩などの朗読を基本としているのでアクセントを重んじています。その上に、詩吟特有のメロディーを加えて効果的に詩情を表現しています。

漢詩には色々とありますが、詩吟ではあまり長時間のものは好まれないので、漢詩の七言絶句や五言絶句が一般的です。少し長い七言律詩などもあります。この七言絶句や五言絶句を約2分間で、七言律詩を約4分間で吟じるのです。

詩吟の健康効果

詩吟などで大きな声を思いっきり出すと気持ちが高揚して健康にも良いことがわかっています。下腹に力を入れて腹から大きな声を出すと呼吸量が自然に増えて酸素を多く取り込みます。そして、身体全体が活性化されます。

詩吟は、腹式呼吸による発声が基本となるので、健康志向で始める人も増えています。健康の増進にも役立っています。

また、腹から大きな声を出すことで、気分転換やストレスの解消につながる効果があります。同様に、カラオケを行なっても免疫機能が活性化される効果があります。

ただし、下腹ではなく、喉の使いすぎは逆効果です。声帯が激しく振動を繰り返すので、やり過ぎると喉を痛めてしまいます。喉を乾燥や温度変化から守って大切に使うことは風邪の予防にもなります。

詩吟は、音楽やカラオケと同様に、心身をリラックスさせて脳の潜在意識に働きかけ、脳を活性化する効果もあるようです。皆さんも始めてみませんか。

詩吟は日本音階です

ミニコンダクターの写真

詩吟の音階は不動陰旋法音階と言って陰旋法音階の派生で、「ドレミファソラシド」の「レ」と「ソ」を抜いた五音の短音階です。

詩吟では、この写真のような5音階・ コンダクター楽天 という「ドミファラシド」のように「レ」と「ソ」を抜いた5音階の楽器(ミニコンダクター)を使って学習しています。この音階は、物哀しく寂しい響きがあります。

詩吟の各流派

日本全国には詩吟の 流派楽天 が数えられない程多くあります。これは、有能な師弟が元の流派から独立して新たに宗家を名乗った為です。

全国的な組織を持っている大きな流派がある一方で、特別に小規模な流派もあります。

財団法人日本吟剣詩舞振興会は詩吟の振興に関する全国的な組織です。その下に、各都道府県の吟剣詩舞道総連盟があります。

吟道摂楠流と哲泉流について

私は1982年頃から1996年頃まで、吟道摂楠流瀬戸内吟詠会で詩吟の練習をしていました。一度、詩吟から離れるとなかなか復帰できないものですが、2013年頃から、再び詩吟を始めました。

矢掛町老人福祉センターで行っている、月に2回の詩吟講座(哲泉流、無料)です。流派が違っても声を出す基本は同じですので、十分に練習になります。他の流派の特徴や欠点などもよくわかります。

吟道摂楠流は兵庫県の明石市に総本部を置いていて、全国にそれぞれの会を持っている詩吟の会派です。

現在、吟道摂楠流の会員の在籍数は約2,000名です。岡山県では岡山市、倉敷市、総社市などに各支部の教室があります。私は2015年頃から吟道摂楠流倉敷吟詠会の月に4回の教室で詩吟の練習を再開しました。2024年現在の段位は8段です。2019年には師範代の考査にも合格しました。