こむら返りと閉塞性動脈硬化症(治療方法)

こむら返りと閉塞性動脈硬化症は関係があるのでしょうか。こむら返りを放置すると足を切断しなければならないこともあるようです。NHKのためしてガッテンで放送していました。



こむら返りとは

こむら返り(腓返り)とは、腓(こむら)つまり、足の ふくらはぎ楽天 に起こる筋肉のけいれんです。一般的に「足がつる」と言われる状態です。足以外にも指や首や肩等にもこの症状と似た状態になる場合がありますが、これはこむら返りとは言いません。

こむら返りが起こりやすい条件

こむら返りが起こりやすいのは、身体が冷えている時や激しい運動をした時や脱水状態になった場合などです。その他には寝ている時や妊娠中や疲れている時にもなりやすいようです。

こむら返りが起こるメカニズム

足のふくらはぎがつる原因は、ふくらはぎの筋肉が収縮した状態の時に悪条件が加わると、筋肉を正常に維持するためのシステムに異常が起こるからだそうです。

人間の筋肉の中にあるバネ状の物体の束が筋肉の繊維です。これが筋紡錘(きんぼうすい)です。筋紡錘は走ったり、ストレッチをやり過ぎた時など、筋肉が伸び過ぎて切れないように、筋肉に縮むように指令を出します。

アキレス腱の中にあるバネ状の物体が腱紡錘(けんぼうすい)です。腱紡錘の役割は、アキレス腱が伸び過ぎるのを防ぐことです。アキレス腱は伸びたり縮んだりできないので、筋肉にこれ以上縮むなと指令します。

この両者は互いに反対の指令を出して微妙なバランスで落ちついているのが普通の筋肉の収縮状態なのです。

こむら返りは過度の運動や、冷えや、脱水によって、筋肉とアキレス腱の調整システムのバランスが崩れて起きるのです。こむら返りが起こった時、アキレス腱を伸ばすと、その刺激で、筋肉とアキレス腱の調整のバランスが取り戻されてこむら返りが治るのです。

閉塞性動脈硬化症の人はこむら返りになりやすい

閉塞性動脈硬化症の人は血管の動脈硬化によって血管が詰まって、酸素や栄養分が組織に十分に届かなくなることがあります。その為、前記の筋紡錘と腱紡錘の働きがうまくいかず、誤作動が起こりやすくなって、こむら返りが起こりやすいのです。

片足だけしびれたり、歩くと足が痛くなり休むと治まる場合も、閉塞性動脈硬化症の可能性があります。この場合は、椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症など違う病気の可能性もあります。

閉塞性動脈硬化症がひどくなると、足を切断しなければならない場合もあり、重大な病気ですので注意してください。こむら返りを軽視してはいけません。

閉塞性動脈硬化症を自宅で簡単に見分ける方法(足上げテスト)

両足を支えてもらうか、一人の場合は壁に足を掛けます。約30秒~1分間、足首を曲げたり伸ばしたり連続して動かします。

この足上げテストの後で、どちらかの足が白くなっている場合は、閉塞性動脈硬化症が疑われます。(色が白くなった方は、血行が悪いということです)

閉塞性動脈硬化症の治療法

一般的な閉塞性動脈硬化症の治療法は、足の血流を改善する為に詰まった血管のバイパス手術をします。手術をしなくても良い治療法として、歩いたり休憩したりを繰り返すというものです。

具体的には、1分間歩いたら3分間休憩するということを10回ほど繰り返すだけという簡単なものです。これを週に3回行なうと良いそうです。このようにすると、新しい血管が再生されるそうです。

この治療法は3分間の休憩がミソです。休んでいる間に筋肉に血液が足りないことを知らせるそうです。筋肉に血が少ないことがわかると、人体は血管を作って血流を補うようになるそうです。

ウォーキングと閉塞性動脈硬化症

ウォーキングは閉塞性動脈硬化症の治療に効果があるので、日常的にウォーキングをしている人は閉塞性動脈硬化症とは縁が無いことになります。

一般的にウォーキングの効果は、足の筋肉が増えて新しい血管ができます。このため、血流量が増えてダイエットには特に効果的です。筋肉量が増えると筋肉からの発熱量が増えて冷え性の改善にもなります。

閉塞性動脈硬化症の症状

動脈硬化症が手足の血管に起こると「閉塞性動脈硬化症」となり、冷えやしびれを感じるようになります。更に症状が進むと、歩くと下肢が痛くなり、しばらく休むと回復するという症状になります。

その状態から更に症状が進むと、臀部や大腿部や下腿部やかかとが安静にしていても痛くなるようになります。ついには潰瘍ができて壊死してしまいます。

こむら返りを起こし易い病気

こむら返りを起こし易い病気としては、「閉塞性動脈硬化症」以外にも「下肢静脈りゅう」や「腰部脊柱管狭窄症」や「糖尿病」や「肝硬変」などがあります。