筋力増強方法、筋肉トレーニング

筋力は筋肉の量に比例します。また骨は筋肉によって支えられています。筋肉の動きが良いと、骨に適度な刺激が与えられ、骨が強くなります。反対に筋肉量の減少は骨の減少にもつながってきます。そして骨粗鬆症、腰痛、転倒、骨折の原因につながることもあります。これを予防する為には筋力の増強が大切なことです。



筋肉量増加の必要性

ダンベルの写真

筋肉量の増加は身体の発熱を促します。女性に多い冷えによる免疫力の低下で起こる アレルギー性楽天 疾患、慢性関節リウマチ、腰痛、肩こり、膀胱炎等の各種の病気を予防する上でも重要なことです。

もうひとつ重要なことは、筋肉と脳の関係です。脳の指令で筋肉は動きます。筋肉を動かすことは脳を積極的に働かすことでもあります。考えることでも脳は働きますが、日常生活で身体を動かすだけでも脳を活性化することができます。

筋肉量は、20~30歳から徐々に低下しますが、一般に高齢になるほどその低下率が激しくなります。すなわち日常生活の活動量の減少が筋力の低下となります。そして筋力が低下すると活動量が更に減少します。高齢になると筋力を増強することよりも、筋力を低下させないことが重要な場合もあります。

生涯の健康を維持する為には若い時にできるだけ筋力を増強しておいて、できるだけ筋力を低下させないように日常の運動を怠らないように気をつけたいものです。

ボディビルのように見せる身体にするのが目的ではなく、軽いダンベルなどを使った運動で健康的に筋力を維持する事が理想だと私は思っています。

体の冷えと筋肉量の関係

女性に多い体の冷えは筋肉量が男性より少ないから起こるようです。ダイエットで体重を下げると脂肪より先に筋肉量が減るので、冷えには逆効果になります。

運動をして筋肉を付けると、脂肪が減ってそれが筋肉に変わるので結果的に体重が減ります。それによって体の冷え症に効果があります。

2007.12.01放送のNHKの「解体新ショウ」によると、筋肉量が少ない人程冷え症だそうです。筋肉量を増やすことが健康に良いことは明らかです。

筋肉の種類、横紋筋と平滑筋

筋肉には横紋筋と平滑筋の2種類があります。横紋筋は体を動かしたり支えたり、自分の力で運動させることができる筋肉で随意筋と呼ばれています。

平滑筋は消化器官の壁や呼吸をする気管などの壁や血管などにあり内臓筋とも呼ばれています。自分の意志によって動かすことができないので不随意筋と呼ばれています。

これから解説するのは随意筋の横紋筋についてです。

横紋筋の種類と強化(速筋繊維と遅筋繊維)

横紋筋の種類には速筋線維と遅筋線維とがあります。

速筋繊維の強化(無酸素運動)

酸素補給しなくても筋肉を動かせるのが速筋繊維です。大きな力を出せるが、力を出せる時間は短く、素早く筋肉を収縮できるのが特徴です。一般に筋力トレーニングで増強されるのはこの筋肉です。100m走で使うような筋肉のことです。

筋肉の負荷を多くして短時間でトレーニングします。

遅筋繊維の強化(有酸素運動)

酸素を筋肉中に取り込みながら動かすのが遅筋繊維です。筋肉の収縮速度は遅く、小さな力しか出せないが連続して力を出せるのが特徴です。筋力トレーニングをしてもすぐには増強されません。

筋肉の負荷を小さくして長時間かけてトレーニングします。

筋力トレーニングのやり方

筋肉の肥大化は超回復で

老齢になっても筋力トレーニングによって筋力は強化できます。筋肉に負荷を与えた時、筋線維は部分的に断裂、破壊されます。しかし、この断裂した筋線維は回復される時に断裂される前より少しだけ太い筋線維へと修復されます。

これを繰り返すことで、筋線維が太くなり筋肉が大きく強くなっていきます。この現象を超回復と呼んでいます。

過負荷の原則

筋肉を強くするには、いつまでも同じ負荷を筋肉に掛けるだけでは、筋力は伸びてはいきません。筋肉への負荷を徐々に増やすことで次第に筋力が強くなります。これを過負荷の原則と言います。

アイソメトリック(静的)トレーニング

筋肉全体の長さを変えないで筋力を強化することをアイソメトリック( Isometric )トレーニングと言います。机や柱のように動かないものを押すとか、ロープのように伸び縮みしないものを引っ張ったりして静止状態で筋力トレーニングを行なうものです。

この動作を最大筋力の70%以上で約7秒間、1日1回行なえば良いと言われています。電車の中や部屋で簡単にできるので手軽な方法です。

アイソトニック(動的)トレーニング

一定の重量の負荷を使って、それを筋肉で動かすことによって筋力を強化するトレーニングをアイソトニック( Isotonic 動的)トレーニングと言います。

筋肉を動かしている状態で筋力を強化するので動的トレーニングと呼ばれます。一般的なスポーツでは様々な動きの中で筋肉を動かすのでこのトレーニングを行なっていると言えます。走ったり飛んだりしますので、時間と場所が必要です。

日常生活での筋力トレーニング

毎日一生懸命に筋力トレーニングをしても筋肉を付けることは可能ですが、なかなか長続きしないのが常です。日常生活の中で自然に筋力が強化されるようにするのが理想です。

毎日犬の散歩をするとか、通勤で駅まで歩くとかが一般的です。これらを少しでも積極的にすれば効果もあり、長続きする方法だと思います。

もっと積極的に筋力トレーニングをする方法は、職業で筋力をよく使う仕事に変えるとか、住む場所を山の上の方にするとかマンションの上の階に住むとかすると、日常生活の中で自然に筋力が増強されます。

私は電気店の仕事をしていますので、日常的に重い物を運んだり、修理や工事で力の必要な仕事がかなりあります。また日曜日には田畑で野良仕事をしていますので、日常的に筋肉を適度に使っています。健康には良い仕事に就いたと思っています。

スロートレーニングで効果的に筋力強化

スロートレーニングは負荷をあまり掛けずにゆっくりトレーニングする方法です。このようにすると筋肉の中の血流が減って酸欠状態になり乳酸が増えてきます。その結果、脳から成長ホルモンが多く分泌されて筋肉を楽に強化できるそうです。

この方法は大きな負荷を掛けて行なうトレーニングと同じ効果があるということです。ちょうど太極拳のような感じでスローに体を動かすだけで良いそうです。

トレーニングの後でウォーキングやサイクリングのような有酸素運動をすると特に体脂肪が減る効果が大きいとのことです。(2008年10月29日、NHKためしてガッテンより)

基礎代謝と体脂肪率

筋肉が付くと基礎代謝が上がります。基礎代謝が上がると食べたカロリーを多く消費するので、体脂肪率が自然に下がってきます。

筋肉が増加すると筋肉からの発熱が増えるので、寒さにも強くなります。脂肪はそれ自体は発熱しません。筋肉を付けることは一石二鳥にも三鳥にもなります。

若い女性はダイエットをよくしますが、ダイエットでは初めに筋肉が少なくなります。ダイエットで体重を下げるより、筋力を強化して体脂肪率を下げる方がよっぽど健康的で美しい身体になります。また、筋肉がつくと歩幅が広くなり、歩く姿が若々しく見えます。