アルツハイマー病とアミロイドβとインスリンの関係
アルツハイマー病は薬などで進行を遅らせることはできますが根治的な治療方法はありません。しかし、アルツハイマー病予防方法は次第にわかってきました。生活習慣病や糖尿病や運動不足などで、アルツハイマー病の原因物質のアミロイドβを増やすことがわかりました。NHKで放送していました。
アルツハイマー病とは
アルツハイマー病は認知機能が低下する病気です。認知症には脳血管性認知症とレビー小体型認知症とアルツハイマー型認知症とがあります。
アルツハイマー型認知症の多くは60歳以上の人に発症しています。日本には100万人以上のアルツハイマー病の患者がいるといわれています。
アミロイドβがアルツハイマー病の原因物質か
アルツハイマー病の予防と治療の鍵と思われているのが「アミロイドβ」というたんぱく質です。アミロイドβが脳内に凝集して増えるとともにアルツハイマー病が進行していくことがわかっています。
アミロイドβは目が覚めている日中には増加しますが、寝ている時には減少しているそうです。
インスリン(インシュリン)の役割
空腹の時には 血糖値楽天 を上げる作用のあるアドレナリン、グルカゴン、コルチゾールなどのホルモンが分泌されて、血糖値が上がるようになっています。反対に、血糖値を下げる働きをするのがすい臓のランゲルハンス島から分泌されるインスリンです。
インスリンは、ブドウ糖をエネルギーに変えるために働くホルモンです。インスリンが血液の中のブドウ糖をエネルギーとして使われるように変えて、ブドウ糖を減らすので、結果的に血糖値が下がるのです。
インスリン分解酵素の役割
必要なくなったインスリンはインスリン分解酵素の働きで分解されます。インスリン分解酵素の主な仕事はインスリンの分解です。インスリン分解酵素は副業として、アミロイドβの分解もしています。
慢性的にインスリンが多過ぎる状態になるような生活をしていると、インスリン分解酵素はインスリンの分解の為に消費されてしまいます。そうなると、アルツハイマー病の原因物質と言われるアミロイドβの分解が手薄になってきます。
慢性的にインスリンが過剰な人とは、2型糖尿病の人と、糖尿病予備軍の人ですから、このような人は特に気をつけないと、アルツハイマー病の原因物質と思われるアミロイドβが脳内にたまりやすいのです。つまり、アルツハイマー病にかかりやすいのです。
アルツハイマー型認知症の予防方法
インスリンを減少させるには糖尿病や肥満にならないように、食生活に気をつけることが大切です。炭水化物を重ね食いしたり脂肪の多い食べ物を食べ過ぎたりする食習慣を続けていると、太るばかりでなく脳にも悪い影響を与えてしまいます。
認知症はゆっくりと症状が進んでいきます。このような軽度認知症の状態で5年間経過すると半数以上の人が認知症を発症すると言われています。
認知症は一度発症したら元へは戻らないのが常識ですが、この軽度認知症の状態で認知症予防活動をし、劇的な成果を上げているグループがあるそうです。そのグループが行っている認知症予防の方法とは次のようなものです。
料理をしたり、日常生活の工夫をする
料理を作るのは、まず献立を考えます。次に材料を用意します。手で道具を使って、加工したり、味付けしたりして、脳を使う必要があります。また、日常生活でいつも工夫をしていると、常に脳を使います。この脳を使うのがアルツハイマー病の予防には良いようです。
昼寝をする
30分程度の短時間の昼寝は認知症予防に効果があるそうです。アミロイドβは日中の目が覚めている時には増加しますが、寝ている時には減少しているそうですので、この影響かも知れません。
有酸素運動をする
散歩やジョギングや軽い体操などの有酸素運動は脳を活性化させます。脳の血流も増えます。運動をすると、筋肉量も増えます。筋肉量が増えると脂肪や糖を消費してくれて、生活習慣病を予防できます。一石二鳥にも三鳥にもなります。