急増する大人の気管支喘息(ぜんそく)

風邪の後、咳が長引いてなかなか止まらないことはありませんか。咳で窒息死することがあるそうです。そのメカニズムを、ためしてガッテンで放送していました。小児ぜんそくと、大人のぜんそくとは違うようです。



気管支喘息とは

細菌やウイルスの感染や ハウスダスト楽天 やカビの胞子等が原因で体がアレルギー反応を起こし、気管支の炎症が慢性化して気道過敏性の亢進や可逆性の気道狭窄を起こします。そして発作的に咳が出る症状を繰り返す呼吸器疾患を気管支喘息と呼びます。

喘息(ゼンソク)発作が起こるとこれらの症状が激しくなり、死に至ることもあります。「喘息」または「ぜんそく」と言う場合は気管支喘息のことをいうのが一般的です。

大人のぜんそくの症状と特徴

大人のぜんそくの大半の人の症状は咳が続くだけのようです。大人の喘息の人は、推定で150万人いるそうです。そのうち毎年2000人が窒息死で亡くなっているそうです。実際に喘息発作を経験した人は、息を吸うことも吐くこともできなくて、死にそうになったそうです。

風邪をひいた後に咳が続き、熱も鼻水もありません。風邪を引く毎に咳をくりかえします。病院で胸のレントゲンを撮ってみても、異常が認められないことがあります。

大人のぜんそくの原因とメカニズム(好酸球)

肺からの異常に反応して、普段は血液中にいる好酸球が肺へ集合します。そして、風邪等のウイルスがいても、いなくても好酸球が肺の粘膜を攻撃します。好酸球に傷つけられた気管支の平滑筋は、内側に太くなります。平滑筋が気管支を締め付けると窒息することになります。

好酸球とは

好酸球は、白血球の一種の顆粒球の1つです。細胞の大きさは好中球に比べてやや大きく、直径が10~15ミクロンです。好酸球数は白血球の0.5~13%を占めています。

アレルギー反応の制御を行ない、ヒスタミンを不活性化し、弱い貪食能力を持っています。寄生虫の感染などで増殖します。元々寄生虫に対抗するものだったようです。

気管支の平滑筋とは

気管支は先へ行くほど細くなり、その先には肺胞があります。ウイルスなどの異物が気管支に入ると、粘液が出て、気管支の平滑筋が閉まって、咳を出してウイルスの混じった痰を体外に出すようになっています。

好酸球に傷つけられた気管支の平滑筋は、内側に太くなります。平滑筋が内側に発達して、気管支が狭くなります。気管支が締め付けられると、息をすることができなくなります。

慢性剥離性好酸球性気管支炎

好酸球が気管支を傷つけ、好酸球が集まると気管支は血管を増やします。そうすると、ますます好酸球が集まり、気管支を傷つけて気管支の粘膜が剥離することになります。

喘息になっているかどうかの検査方法

喘息は普段は何の症状もないので、喘息になっているかどうかの検査には、吐く息の一酸化窒素を測定する方法があります。好酸球が多いほど一酸化窒素の値が大きくなるのです。まだこの測定器は全国で300カ所の病院にしか置いていないし、保険が適用できないようです。24~36ppmがグレーゾーンとなっています。36ppm以上は異常値です。タバコを吸う人は、少なめに出るようです。

また、肺機能検査をする方法でも喘息になっているかどうかの検査をすることができます。

喘息の発作をあらかじめ予測する方法

ピークフロー計で呼吸量を計る方法は、喘息の発作をあらかじめ予測できます。毎日呼吸量を計りグラフをつけていきます。もし、急に呼吸量が少なくなったら、薬を飲むようにして発作を予防します。喘息になる前には、呼吸量が下がるのを利用しています。

喘息の治療方法

朝と晩の2回ステロイドの吸入をすることで、好酸球を減らします。吸入ステロイドの副作用は、比較的少ないようです。

元々好酸球は寄生虫に対抗するものなので、寄生虫を飼えば喘息は好転するようです。でも、寄生虫はもう日本にはほとんど居ません。それに代わる治療方法ができると良いのですが。