突発性難聴の治療体験1

私は67歳になって初めて突発性難聴になりました。症状の発見が遅れて治療が遅れてしまいました。突発性難聴は早く治療する程治りが早いそうです。原因がよく解っていない病気で、この記事はステロイド剤などの投薬による私の突発性難聴治療体験記1です。



突発性難聴とは

突発性難聴とは、ある日突然、片方の耳が詰まったような感じになり、音の聞こえが悪くなる感音難聴の病気です。耳鳴りやめまいや吐き気を感じることもあります。原因はよく解っていないようですが、ストレス説やウイルス感染説や内耳循環障害説などが考えられています。

1年間で約3600人に1人が罹る病気らしく、特に多い訳ではありませんが、最近は増加傾向にあるようです。治療はできるだけ早く開始する方が治りも早いようです。遅くとも1週間以内に治療を開始してください。発症から1ヶ月も経つと回復は困難とも言われています。

突発性難聴の感音難聴とは

外耳道や鼓膜や耳小骨などの音が伝わる経路には異常がなく、内耳から大脳皮質までの間に障害があって生じる難聴です。治療が可能だと言われていますが治りにくい病気です。

風邪の後の突然の耳の詰まり症状

左耳の画像

2016年11月20頃に私は風邪を引きました。症状は軽く、熱は無く、咳や鼻水もほとんど出ませんでした。しかし、喉の調子が悪く低い声しか出ませんでした。11月22日の詩吟の教室の練習は休みました。

約1週間後の28日のカラオケ教室の練習では高音を除いて何とか声が出ましたので、五木ひろしの「九頭竜川」がやっと唄えました。

11月30日の詩吟の教室では12月4日の倉敷芸文館での合吟出演に向けての練習がありましたが、それまでに声が出るようになるかどうか微妙な段階でした。

12月1日頃だと思いますが、左耳が詰まったような感じになりました。風邪の後の声の不調が続いていたので、そのせいかと思い、あまり気にも止めませんでした。

その後は、左耳で 耳鳴り楽天 がしたり、軽いめまいがしたりしていました。なかなか良くならないのが気にはなりましたが、重大な病気だとは認識していませんでした。

結局、12月4日の倉敷芸文館での第24回倉敷吟剣詩舞道祭の詩吟の合吟には何とか出演できました。

最初の耳鼻咽喉科医院の受診と突発性難聴の診断

12月12日になって、ふと、右耳を手で塞いでみると、左耳の聴力がほとんど無いのに気がつきました。特に高音の音が聞こえません。インターネットで検索してみると、耳垢が詰まった場合や突発性難聴の可能性があることがわかりました。すぐにでも医療機関に掛かるように書いてあります。

これは大変、少しでも早く耳鼻咽喉科に行くべきと思い、即刻、少し遠かったのですが、夕方でも開いていた倉敷市真備町の個人医院(松田クリニック)に診察に行きました。

診断結果は突発性難聴との事でした。原因はストレスやウィルスや血流不足などが考えられるがわからないし、治るか治らないかもわからないと言われました。インターネットで調べてみると、1/3の人は完治するが、1/3の人は少し良化して、残りの1/3の人は現状維持のようです。

私の場合の突発性難聴の治療

治療は内服薬によるものでした。主には、炎症やアレルギーを抑えるステロイド剤のリンデロン錠0.5mgを朝食後4錠、昼食後2錠が3日間分処方されました。

この他に、末梢神経に働く、メコバラミン錠300μg「JG」と、血液の流れを改善する、トコフェロールニコチン酸エステルカプセル200mgと、ビタミンCのシナール配合錠の3種類の内服薬が朝昼夕食後に1錠ずつ14日分が処方されました。

3日目になると、症状は少しは良くなった感じがしましたが、依然として左耳の不快感はあまり解消されてはいませんでした。どの薬の副作用の影響かわかりませんが、シャックリが止まらなくなるようになりました。また、たまに蕁麻疹が出るようになりました。

ステロイド剤が処方されていて、免疫機能が低下しているので、感染症を予防する為に、治療中に私はマスクを24時間使用しました。

薬の切れる3日目に矢掛病院の耳鼻咽喉科を受診しました

12月14日には、我が家から近い矢掛病院の耳鼻咽喉科の診察がある日なので、こちらの病院に変わることにしました。医師にもらった薬を見せて聴力検査をしました。左耳の難聴の程度は中程度との事でした。高音域の聴力が40~50dB悪くなっているようでした。最高周波数では70dBでした。

治療方針は松田クリニックとほぼ同様で、ステロイド剤のリンデロン錠0.5mgを朝食後2錠、昼食後2錠が3日間分、朝食後2錠が3日間分、朝食後1錠が1日間分処方されました。つまり、1週間かけてステロイド剤を次第に減らしていく方針のようでした。その後改善されなければ、ステロイド剤の耳内への注射を他の病院ですると言っていました。

その後、症状は次第に良くなっているように感じています。左耳の奥の方に意識を集中して、顎や耳の周辺を動かしたり、唾を飲み込むなどして、内耳の気圧を調整するような動作をすると、左耳の奥で、「ゴゴ」という音がしていましたが、それが「ググ」に変わり、何日かで「クク」という音に変わって来ました。

耳の奥で何らかの変化が起こっているように思えました。多少なりとも耳の聞こえも良くなっているように感じています。

更に1週間後の状態と倉敷中央病院での治療

12月21日(水)に矢掛病院での1週間後の状態を確認をしました。左耳の聴力は中音域で約10dBの回復がありましたが、高音域は約70dBで何も変わっていませんでした。

これで終りにするか、更に治療を希望するかと言われたので、次の治療をして欲しいと伝えました。すぐに、倉敷中央病院で治療する事になり、予約してもらえたので、車で即行きました。

その日の午後、倉敷中央病院の耳鼻咽喉科で、副腎皮質ホルモン(ステロイド剤)の鼓膜内への注入治療を受けました。その前に、聴力検査をして、耳の奥への麻酔剤の注入をしました。これは約15分間やりました。

いよいよ、リンデロン4mg(0.4%)ステロイド剤の鼓膜内への注射です。ゴソゴソという音がするだけで、あっけなく終わりました。めまいがする事も無く、何事もありませんでした。その後左耳を上にして約15分間休んでから帰宅しました。

その他の投薬は、アデホスコーワ顆粒10%3gとメチコバール錠0.5mgを毎食後服用が追加されていました。

この治療でも治らなかったら、次の段階は、児島中央病院での高圧酸素治療だそうです。良くなってくれる事を期待しています。

次の日の状態は、更に中音域の音がよく聞こえるような感じがしました。テレビの音を少しボリュームを上げて左耳だけで聞くと普通に聞こえる感じです。音量が小さいと高音域が聞こえないので、何を言っているのかよくわかりませんでした。

倉敷中央病院での2回目の治療

2016年12月26日、この日には倉敷中央病院での頭部のMRI検査もありました。これは異常ありませんでした。その後、リンデロン4mg(0.4%)ステロイド剤の鼓膜内への注射の2回目の治療がありました。

翌日の朝に スマートフォン アプリ楽天 で聴力検査をしてみました。段々良くなっているのが実感できました。4kHz以下の低中音域の左耳の聴力は約20dB程で軽い難聴程度です。6~8kHzでは約40~70dBです。この周波数では中~高度の難聴です。

耳鳴りは高音のサーという音とシーという音と鈴虫が鳴くようなリーンという音が混ざっているようです。耳鳴りの程度は段々と軽くなっていると思います。ちょうど聞こえない音が耳鳴りとして聞こえている感じです。

聞こえにくい方の耳を使わないのではなく、積極的に使うようにしています。正常な方の右耳に耳栓をして、左耳だけでテレビを見たりCDを聞いたりしています。高い音はよく聞こえませんが普通には聞こえるようになったと思います。

倉敷中央病院での3回目、4回目の治療

2017年1月4日、11日に倉敷中央病院で聴力検査の後で、診察とリンデロン4mg(0.4%)ステロイド剤の鼓膜内への注射の3回目、4回目の治療がありました。この治療は4回で終了です。4回目の治療では、鼓膜の注射の穴は塞がっていたとの事でした。

聴力検査の結果を見ると、左耳の低音域は約20dB、中音域は約40dBで高音域は約60~70dBでした。これなら、ステロイド剤の鼓膜内への注射では、ちっとも良くなっていないと思います。実際は少し良くなっている感じがしていましたので意外でした。耳鳴りなどに慣れて来たということでしょうか。

医師に鼓膜内への注射の効果の持続時間を聞いてみると、毎日の注射と週に1回の注射との違いは無かったとの事でした。この4回の治療後の聴力の検査結果で、次の段階の高圧酸素療法をするかどうかを決めるとの事でした。たぶん、高圧酸素治療をすることになると思います。

この後の治療の概要

私の突発性難聴の治療は、この後の児島中央病院での高気圧酸素治療を記録した突発性難聴の治療体験2と、病院での治療後の自主的な治療を記録した突発性難聴の治療体験3と、発病から1年後の状態を記録した突発性難聴の治療体験4があります。