私の骨盤骨折とその治療体験記1

私は還暦を過ぎてから、初めての重大な転落事故に会いました。打ちどころが悪ければ、死んでいたか、重大な後遺症が残っていたでしょう。その時になった骨盤骨折とその治療の体験記です。



骨盤骨折とは

骨盤骨折とは交通事故や、スポーツや転落によって骨盤の骨が折れることです。人間の骨盤は仙骨や寛骨(腸骨、座骨、恥骨)や尾骨などからなる環状の構造をしています。これらが様々な方向からの外力を受けて恥骨骨折になったり、坐骨骨折、恥骨離開、仙腸関節離開、寛骨臼骨折、腸骨骨折などになったりします。

骨盤骨折の症状

一般的に、骨盤骨折になると、大量出血を伴うことがよくあります。また、他の臓器も同時に損傷することがありますので注意をしてください。

骨盤骨折の症状としては、骨盤骨折そのものによる痛みや他の臓器の損傷による痛みや出血があります。骨盤骨折で、一番注意しなければならないことは動脈や静脈の損傷による出血性ショックです。これがあると、すぐに命にかかわります。

骨盤骨折の治療

骨盤骨折はできるだけ早く医師の診断を受けてください。 応急処置楽天 としては、安静にすることです。そして救急車で、できるだけ早く病院へ連れて行ってください。

病院での骨盤骨折の治療は、優先順位を決めて重要なものから治療をします。動脈や静脈の損傷による出血性ショックがある時は、最優先で血管の塞栓手術や輸血をします。他の臓器にも損傷がある場合では、必要があればその修復手術をします。骨盤骨折で骨盤が不安定になっている場合はその固定手術を行なう必要があります。

私の骨盤骨折の概要

今回の転落事故で右側の臀部から着地したことで、背骨につながる仙骨と右側の寛骨の間の近くが骨折していたようです。恥骨の軟骨部が少し開いている(恥骨離開)そうでした。ヘリカルCTでの血管造影検査等で他の臓器や血管に何も損傷がなかったので、不幸中の幸いといえると思います。

転落事故の詳細

転落事故現場の写真

2012年4月4日午前11時頃、この写真の一番高い所の高さ約4メートルのコンクリート擁壁の上から下のコンクリート擁壁の上に向かって、頭から真っ逆さまに落ちました。落ち始めの体が水平になった状態を基準として、約1回転半前方に回転して尻から着地しました。

転落の傷は、両手の甲と肘、左肩の後ろ、左足のすねだけです。これらの事から、まず、迫り来るコンクリート壁から身を守る為、両手でこれを受け止めた事がわかります。これは私の記憶にもあります。

その後、約75度の傾斜のコンクリート壁面の上を前方に回転したと思われます。そして、落下中に左肩を打ち付けて、衝撃を吸収すると同時に更に回転したと思われます。身体が丸くなっていたと思われ、次に、落下中に左足のすねを打ち付けたのでしょう。これはかなりの衝撃だったと思われます。ズボンが破れていました。ここでも衝撃が吸収され、落下エネルギーを減らしたようです。

最終的には、右側の尻だけで体が水平状態で着地していました。この時、頭は幅約30cmの水路の上にありました。足はコンクリートの無い空中でした。この為、頭を支えていた首と、足を支えていた足の付け根の靭帯に無理がかかったのでしょう。

このようにして、最終的に骨盤骨折だけで済んだと思われます。本当に運が良かった。神様に感謝しなければなりません。日頃から体を鍛えていて身軽だったことと、バランスの良い食事を摂っていたことで、骨が丈夫だったのも幸いしたのでしょう。後でよく見ると、落ちた所にはイノシシ用の 電気柵楽天 がありました。ちょうど着地点は電気柵の棒と棒の間でした。もし、この電気柵の棒の上に落ちていたら体が串刺しになっていたでしょう。

妻がすぐに救急車を呼んでくれました。私は落ちた約数分後、自分で立つことができましたが、座って静かに救急車の到着を待ちました。

転落事故の状況と原因

その日、私は、妻と娘と一緒に、道路の法面に植えた琵琶の木を間引き剪定していました。切った枝が斜面を転げ落ちて行きました。

後でその枝を拾いに斜面を下へ降りて行きました。その時、将にコンクリートの擁壁を落ちるところでした。早く行って拾おうとしました。行った時にはもう落ち始めていたのでしょう。枝をつかんだけど、身体が止まりませんでした。そのまま枝と一緒に頭から落ちてしまいました。

転落の原因は、まず、状況把握の不備です。そのコンクリート擁壁は高さが4メートルもあるとは思っていませんでした。せいぜい1~2メートルだと思っていました。事実、その近くのコンクリート擁壁は高さが1メートル程度でした。

その他の原因としては、自分の体力の過信です。60歳を過ぎてから体力や運動能力が落ちていたのでしょう。これをよく自覚していなかったと思われます。